はじめに
「公務員は副業禁止されている」といったイメージも強いですが、実際のところ厳密に副業を禁止されているわけではありません。しかし「営利目的での務め、または私企業の経営」は禁止されています。
そのため具体的に公務員が出来る副業は以下の9つになります。
今回は公務員が行うことが出来る副業について解説していきます。
1.不動産投資
公務員でもできる副業としてよく知られているのが、不動産賃貸です。
不動産賃貸とは、アパートなどの部屋を貸し出し、その家賃収入を得る方法を指します。
収入は得ていることになりますが、公務員で禁止されている副業には該当しません。
ただし不動産賃貸に関しては、注意点がいくつかあります。
まずは、あくまでも家賃によるインカムゲインを前提としている点です。
つまり不動産を購入し、それを売却して利益を得るといった方法は不可となっています。
また、不動産に関するルールが制限されている点にも注意が必要です。戸建てであれば5棟未満、マンションであれば10室未満といったルールが定められています。
基本的に事前に相談をする必要はありませんが、年収500万円のラインを超えた場合、許可が必要になるので注意しましょう。
2.株式・FX・仮想通貨
こちらも代表的な公務員の副業ですが、株式・FX・仮想通貨も認められています。
こちらも不動産賃貸のケースと同じく、事前に相談することなく始められる副業です。
もちろん本業と投資を両立させるのは難しいかもしれませんが、投資をしている公務員も少なくありません。
ただしこれらの投資によって利益が発生した場合、確定申告が必要になる可能性があるため注意しましょう。
公務員としての給料は、年末調整によって会社側が処理してくれるため、職員が納税をする必要はありません。
しかし投資による収益は、個人的に得ているものになるため、公務員としての給料とは別の処理が必要です。
年末調整される給料とは別に、「年間所得20万円」が、確定申告が必要かどうかの分かれ目になります。
3.講演
講演や講師といった活動も、一般的には認められている副業です。
しかし不動産賃貸や株式投資といったケースとは異なり、基本的には許可が必要になるため注意しましょう。
許可を得れば、講演活動に制限が設けられる事はありません。
講演をする際に切っても切り離せないのが、謝礼金の存在です。
お金を受け取ることになるため、「法律で禁止されている副業にあたるのではないか」と心配している方も多いでしょう。
しかし講演は、営利目的の副業ではないため、謝礼金をもらったとしても問題ありません。
ただしここで重要なのが、本業の職務に影響を与えないかどうかです。
公務員には、職務専念の義務があるため、基本的には職員としての活動が優先になります。
4.執筆業
執筆業も、講演と同じようなもので、許可さえあれば可能です。
過去に執筆活動を行っている公務員の例はあります。
一般的な会社員とは異なる、特殊な業務を行っていることもあり、社会に還元できる部分も多いでしょう。
しかし執筆業が認められたからといって、どのような内容を執筆しても良いわけではありません。
あまりにも品性に欠ける著作物を作成した場合、信用失墜行為の禁止に反する可能性があります。
あくまでも公務員としての信用を失わない範囲での執筆が重要です。
また講演と同じく、執筆に関する謝礼金をもらえます。
ただし「雑誌に小説を長期に渡って連載している」「継続的な執筆活動を行なっている」といったケースは、職務に影響を及ぼす可能性があるため、グレーゾーンです。
5.小規模農業
自給目的の小規模農業であれば、副業として認められることがほとんどです。
昨今、農業に対する注目度が高まっていることもあり、農業を始める人が増えています。
公務員もその例にもれず、農業を始める人も珍しくありません。
小規模農業であれば、基本的に職場の許可は不要です。
しかし規模が大きくなると許可が必要になります。
特に、販売農家に区分される基準である「耕作面積が30a以上、または年間販売額が50万円以上」を超える場合は注意が必要です。
自給目的で農業を営んでいたとしても、食材が余ってしまう可能性があります。
こうしたケースであれば、農作物を販売して収入を得ても問題はありません。
6.家業の手伝い
職員の家庭環境によっては、どうしても家業の手伝いをしなければならなくなるケースがあります。
またいずれは実家を継ぐつもりであり、その訓練期間として手伝いをする人もいるでしょう。
「家業の手伝いに許可は必要なの?」と疑問に思う方も多いかもしれませんが、基本的には許可を取っておいた方が無難です。
自分が勤めている自治体の状況を確認するようにしましょう。
家業の手伝いは、プライベートな行為ではあるものの、公務員の義務は適用されます。
国家公務員法第99条から第101条、つまり「信用失墜行為の禁止」「守秘義務」「職務専念の義務」の3つを損なわない範囲で行いましょう。
7.フリマアプリ
フリマアプリは、不特定多数のユーザーが、不要になったものを売買するサービスです。
フリマアプリも、基本的には営利目的の副業にはなりません。
たとえば「不要になった服をフリマアプリに出品し、いくらかの収入を得た」といったケースであれば、特に問題はなく、許可を取る必要もありません。
ただし、「中古ショップで商品を仕入れ、フリマアプリに出品して商品を売る」といった行為は、「せどり(物販ビジネス)」に当たります。
せどりは営利目的であり、禁止とされている副業です。
さらにフリマアプリで大きな収入を得た場合、「事業」に分類されることになり、確定申告が必要になる可能性もあります。
あくまで「すでに持っていて不要になったものを販売する行為」が認められるのであり、事業として行えば法律違反になってしまうので注意しましょう。
8.ポイントサイト
ポイントサイトは、サイト内でポイントを稼ぐことによって、費用の節約やお小遣い稼ぎができます。
ポイントサイトでの活動は、節約を目的としたものであり、基本的には営利活動ではないと考えられます。
そのため、ポイントサイトでの副業も可能です。
ただし昨今のポイントサイトや、ポイントサービスは、ユーザーを囲い込む目的で「高効率」に設定されているケースもあります。
ポイントサイトであまりにも荒稼ぎをしているようであれば、営利目的と捉えられる可能性もあるので注意しましょう。
また当然のことながら、ポイントサイトに必死になってしまい、職務がおろそかになってしまってはいけません。
公務員としての義務をしっかりと果たせる範囲内で、ポイントサイトでの活動が認められます。
9.太陽光発電
太陽光発電投資は、太陽の光を利用して電気を発電し、発電した電気を電力会社に売電して利益を得る投資方法です。
株式投資や不動産投資と比べてまだまだ認知度は高くありませんが、太陽光発電投資は株や不動産と比べてリスクが少ないことが魅力となっています。
この理由には、FIT制度という『国が電力会社で電気を買い取ることを国が定めた制度』があるということが大きく影響しています。
FIT制度があることで、20年間はどんなことがあっても1kWhあたり11〜12円で売電することができます。
太陽光発電投資は、他の投資とは違って国が保障しているという点が大きな特徴です。
株や投資信託のように、リスクを伴いながら利益を得るというよりも、リスクが少ない分、長い時間をかけてコツコツと不労所得を増やしていきたい方におすすめの投資方法となっています。
終わりに
今回は公務員が出来る副業について解説してきました。
昨今の円安物価高を受け、一番の被害を受けているのは公務員や会社員ではないでしょうか。
変わらない給与に対して、高騰する物価、より増す税金で生活がひっ迫してしまうのは目に見えています。
また、老後資金問題として老後2,000万円問題や年金受給額の低下など、先々の貯蓄を考えると、目に見えて使えるお金がないことが分かります。
そして、日本のインフレーションに対して、一番弱い職種は「公務員」です。
なぜならインフレに対して、公務員のような給料が上がりにくい職種は、物価高に対応しにくいからです。
普通の会社員であればその分を副業で賄うことが出来ますが、公務員は原則副業ができないので生活が苦しくなっても対応が出来ないのが欠点です。
今回の副業リストから生活の補填が出来る方法が見つかると幸いです。
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