「銀行で外貨預金をしよう!」がNGな理由3選

金融

はじめに

ドル預金の方が日本の定期預金に預けておくよりも有用なのは分かります。

金利の低い日本円より金利の高い米ドルを持っていたほうが資産形成として正しいのも分かります。

しかし、銀行で外貨預金をするのはNGなのです。

たまに友人や会社の同僚から今のうちにドルを買っておこうと思うのだけど・・・と相談があるのですが、正直、為替は読めませんと伝えています。

去年の急激な円安だって、15年くらい前の円高だって、結果を見ての「たられば」の話は出来ますが、明日の為替がどうなるのかは誰にも分かりません。(一部の天才トレーダーは除く)

しかし、一つだけ言えるのが「銀行で外貨預金をするのはダメ」ということです。

今回は外貨建て預金を考えている人に対してのまとめ記事になります。

・なぜ外貨預金をするのか

・外貨預金の現状

・銀行での外貨預金がダメな3つの理由について

以上3点をお伝えします。

この記事を読んでもらえれば、外貨預金とはなんなのか、なぜ外貨預金よりFXの方が良いのかが分かります。

なぜ外貨預金をするのか

超円安で金利3~5%前後のドル預金に人気殺到中ですね。

私の職場でも円安の対策方法の話や銀行での外貨預金の話が時々聞かれます。

昨年の急激な円安を背景に外貨預金を始める動きが増えている様です。

なぜ外貨預金が魅力的なのでしょうか?

答えは単純に「ドル預金の方が、金利が高い」からです。

現在、日本のメガバンクの定期預金金利は0.002%ほどで、1年間で100万円預けても利息は20円しかもらえません。

一方、ドルの定期預金の金利は3%から5%ほどなので、日本の定期預金の1500倍~2500倍ほどの利息が貰えます。

そんな状態ですから、日本でほとんど利息が無いような定期預金をするくらいなら、金利がたくさん貰える外貨建てドル預金の方が良いですよね。

外貨預金の現状

外貨預金というのは、外国の通貨で預金をすることです。

外貨預金は利息も外貨で支払われます。

米ドルで預けたら、米ドルで利息も支払われます。

外貨預金というと「外貨普通預金」と「外貨定期預金」がありますが、一般的に外貨預金は「外貨定期預金」を指すことが多く、1~2年といった預入期間を決めて利用するものが多いです。

今回の記事も外貨預金=外貨定期預金という前提で解説していきます。

外貨預金を始める人が増えている主な背景は2つあります。

まず1つ目が外貨預金の金利上昇です。

ソニー銀行では6か月物のドル定期預金金利は4.5%

SBI新生銀行でも1か月物が5%となっています。

つまり、メガバンクの円定期預金金利が0.002%前後ですので、比べると2000倍以上の利息が貰えるわけです。

ちなみに三井住友UFJ銀行の外貨預金はこちら

不安定な新興国通貨預金ではなく、世界の基軸通貨の米ドルの預金でこうなると、円で預けておくより外貨預金をした方が良いと考えられるのも納得ですね。

2つ目が2022年の急激な円安による実生活への影響から不安を感じる人が増えたためです。

2022年1月4日には約115円払えば1米ドルを手に入れることが出来ました。

しかし、円安のピークだった2022年10月21日には1米ドル手に入れるのに約150円も必要となりました。

昨年に実際にあったことで、皆さんの記憶にも新しいと思います。

この約10カ月ほどで円の価値は約23%も下落したことになります。

この円安水準になるのは約32年ぶりで、まさに歴史に残るような円安進行だった訳です。

今年(2023年)の6月には1米ドル140円、8月には146円と昨年のピークほどではないですが、ここ10年間で見ると円安であると言えます。

なぜここまで円の価値が低下してしまったのか?

その理由は世界各国の中央銀行はコロナ後のインフレ退治のために利上げを行っていましたが、その一方で日本の日銀は金融緩和を続けていたためです。

これが続けば当然海外と日本の金利差は開いていき、利息の貰えない円は欲しがる人が減り、高い利息が望める海外の通貨を欲しがる人が増えますよね。

それに加えて日本の経済力を示す経常収支が悪化していることも相まって、さらに円安が進行するのではないかと考える人が増えます。

この記事を見ているアナタもそうではないでしょうか。

そうなると価値が下がりそうな円を持っているより、価値が上がりそうな外国通貨を持っていた方が良いと思う人が増えるのは当然だと思います。

それゆえに今日本では外貨預金に注目が集まっているのです。

外貨預金がオススメではない理由3選

1つ目は手数料が高い、2つ目は銀行が破綻すると保護されない、3つ目は銀行に金利を抜かれているの3つです。

順番に見ていきましょう。

①手数料が高い。

円をドルに換えるときには手数料がかかります。

例えば、三菱UFJ銀行の場合、1米ドルあたり、1円の手数料がかかります。為替レートが1米ドル140円の場合、1米ドル手に入れようとしたら140+1円で141円払う必要があります。

これで手数料高いな、と思えたアナタはマネーリテラシーが高いです。

銀行の外貨預金手数料というのはとても高いです。

140円に対して1円ですから、比率で言うと0.71%です。

私たちの多くは円を使って生活をしていますから、米ドルはいつか円に戻さないといけませんので、米ドルを円に換えるときにも同様に手数料がかかります。

つまり、0.71%×2回で1.42%です。

皆さんは投資信託(株式)を買うときにこんなに手数料を払っていますか?

今の時代、投資信託購入時の手数料は無料・ノーロードが標準で、売却時にも手数料はかかりません。

それなのに円を米ドルに換えて戻すだけで1.42%の手数料は高いです。

100万円分を米ドルにするだけで往復1.42万円手数料を持ってかれてしまう計算になります。

せっかく3~5%の利息が付いてもそこから1.42%も手数料を引かれてしまうのはもったいないことです。

図を見て分かる通り、ネットか窓口かで大きく手数料に差があります。

銀行の窓口に行っても、手数料も高いですし、よくわからない投資商品を紹介されるなど、良いことは少ないです。

②銀行が破綻すると保護されない。

もし銀行が破綻したとしても、外貨預金はペイオフの対象外のため保護されません

ペイオフというのは銀行が破綻した時のための預金保険制度のことを言います。

細かい条件はあるものの、ざっくりと1金融機関あたり元本1000万円+その利息分が保護対象になります。

普通預金であれば、銀行が破綻しても、これだけの現預金は保護されます。

しかし、外貨預金はペイオフの対象外になっています。

つまり、銀行が破綻したときに、ペイオフの対象ではないので、全額が消えてしまう可能性があります。

皆さんが現預金に価値を感じるのは元本が守られているからですよね。

外貨預金は為替リスクがあるので円ベースでは元本変動を伴いますが、外貨預金をしたいという時点で為替リスクは承知していると思います。

しかし、現預金が保護されないリスクがあるとは思わなかったと思います。

ちなみに投資額が保護される形でドルを手に入れる方法もあります。

③銀行に金利を抜かれている。

銀行の手数料が高いのはドル円を交換する際の手数料だけでなく、実は結構な金利を抜かれているのはご存じでしょうか。

具体例をあげて見てみましょう。

現在、外貨預金の6か月先物の金利は3.5~4.7%くらいですね。

日本のメガバンクの定期預金金利は0.002%程度ですから、随分と高く見えます。

しかし、今の米国の政策金利の上限は5.00-5.25%なのです。

またアメリカ国債6か月先物の利回りは5.40%ほどです。

これがどうゆうことなのかというと

日本の銀行としてはお客さんに米ドル預金をしてもらう。

そしてその預金で貰った米ドルでアメリカの銀行に預金し、債権を買うとざっくり5.3%ほどの利息が得られる。そしてその得た利息のうち3.5~4.7%をお客さんに払えば残りの利息を自分のものにできます。

これが金利を抜いているといったことの意味です。

要はお客さんから低い金利でお金を借りて、高い金利で運用して、差額は自分のものにしている訳です。

しかもこれ、為替のリスクを全部お客さんに背負わせて、銀行のリスクは少なく安全なのです。

もちろん、銀行も慈善事業ではなく商売ですから金利を抜くなとは言いませんが、銀行は安全に利益を取れてリスクは少なく、お客さんはリスクもとって金利も抜かれて利益も減ってしまうのは、なんとなく釈然としませんよね。

これが「銀行で外貨預金をしよう!」がNGな理由です。

終わりに

ここまでの話を聞いて

銀行さんズルいよ、と思った皆さんへ朗報です。

「金利を抜かれずにドルを持つ方法」がありますよ。

答えは外貨預金の代わりにFXを使うことです。

詳細は↓コチラ↓からどうぞ

最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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